今日からできる!睡眠改善

監修 久留米大学学長・日本睡眠学会理事長 内村 直尚

眠ったはずなのに眠った感じがしない、疲れているのに、夜中にむしろ目が冴えて眠れないといった経験がある人も多いでしょう。
年齢によっても必要な睡眠時間は異なりますが、自分に合った睡眠時間を見つけ、質のよい睡眠をとることが大切です。

日本人は睡眠時間が短い!?

日本人の睡眠時間は世界で最も短く、世界平均の8時間28分に比べると1時間以上も短いことがわかります。 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、十分な睡眠時間を確保することが大切なのはもちろん、睡眠休養感に着目したライフシーンごとの睡眠改善の方法を紹介しています。 ここからは、特に仕事や家事に追われがちな働き盛りの世代が、すぐに試せる睡眠改善のポイントを紹介します。

※睡眠で休養がとれている感覚

働き世代の睡眠のポイント

1日の睡眠時間は6時間から8時間

  • 起床時に太陽の光を浴びて、体内時計をリセット。
  • 平日に睡眠時間がとれない人は、1日だけ早く寝る曜日を決めて睡眠時間を確保する。
  • 休日の起床時間は平日とのずれを2時間以内にする。
  • 日中の眠気には、午後早い時間に15~30分以内の昼寝で対策。

眠れないときは無理に眠らない

  • 眠気がないときに無理に眠ろうとすると、むしろ脳が興奮するのでNG。
  • 眠れないときは一旦寝床を離れ、眠くなるまで部屋を暗くして安静にする。

寝室の環境づくりも大切

  • 静かな環境でリラックスできる寝衣・寝具を使う。
  • できるだけ部屋を暗くし、就寝の2時間前からスマホなどの強い光を避ける。
  • エアコンや加湿器を使い、温度・湿度を保つ。寝床内の温度は33℃前後が眠りやすい。
室温の目安

夏:25〜28℃ 冬:15〜18℃

湿度の目安

40〜60%

女性はホルモンバランスの影響が大きい

  • 女性は月経、妊娠・育児、閉経に伴い、女性ホルモンが睡眠に影響を与える。
  • 更年期の不眠症状が気になる場合は婦人科へ。
月経周期による睡眠への影響例
  • 月経前に睡眠が浅くなり、日中の眠気が強まる
  • 月経時は貧血でむずむず脚症候群が起こりやすい(鉄分不足による脚の不快感)
    など

交代勤務(夜勤)の場合は仮眠で睡眠時間を確保

  • 0時~4時に20分~50分の仮眠をとると、仕事の効率が改善する。
  • 仮眠をとる前にコーヒーなどでカフェインをとると目覚めが良い。

それでも…改善しないときは病院へ

生活習慣等を改善しても眠れない、眠っても日中に強い眠気がある場合は、不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群など睡眠障害の可能性も考えられます。専門の医師に相談しましょう。

生活習慣の改善で睡眠も良くなる

生活リズムを整え、覚醒作用のある嗜好品を上手に控えることで眠りの質を上げることができます。肥満や生活習慣病の予防にもなるので一石二鳥!

朝食

欠食すると体内時計の調整がうまく行われず寝つきが悪くなる

夜の眠気をうながす効果があるので、朝食でたんぱく質を積極的にとる

運動

運動習慣がない人は睡眠休養感が低い

日中はウォーキングや軽い筋トレなどを、就寝前はヨガやストレッチでリラックス!

入浴

就寝前にからだが程よく温まっていないと寝つきが悪くなる

就寝の1〜2時間前にぬるめのお湯で入浴すると、就寝時間に深部体温(臓器などからだの内部の温度)が下がり、寝つきがよくなる

カフェイン

覚醒作用を持つので寝つきを悪化させ、眠りの質を下げる

就寝時間の4時間前から控える。エナジードリンクやウーロン茶もカフェインを含むので注意

寝酒

一時的に寝つきはよくなるが、飲酒3〜4時間後覚醒したり、眠りが浅くなる

晩酌は控えめにし、寝酒は避ける。不眠が理由で寝酒がやめられない場合は医療機関へ

喫煙

ニコチンには覚醒作用があり、眠りの質を下げる

喫煙歴の長い人は睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなるので、ぜひ禁煙を!