放置は危険!生活習慣病 高血圧の重症化を食い止めよう

監修 順天堂大学大学院医学研究科 先端予防医学・健康情報学講座 特任教授 福田 洋

高血圧とは、心臓から送り出される血液の血管壁を押す圧力が高い状態のことをいいます。高血圧は食塩の摂りすぎや喫煙、運動不足、肥満、ストレス、遺伝などのさまざまな要因が重なって起こります。高血圧が怖いのは、脳卒中や心筋梗塞など重篤な病気を引き起こすこと。突然死することもあれば、半身マヒ、言語障害といった後遺症などでQOL(生活の質)の低下を招くこともあります。そのような事態を引き起こさないためには、適切な治療と生活習慣の改善がカギとなります。

高血圧の合併症
高血圧は動脈硬化を進行させます。全身に張り巡らされた血管が傷つくことによって、脳や心臓などの大事な臓器に障害を及ぼし、右図のような合併症を引き起こします。

知っておこう!脳梗塞のサイン
「顔の片側が歪む」「片腕に力が入らない」「言葉が出てこない、ろれつが回らない」。一つでもあれば救急車を。症状が一時的でも、前触れ症状である一過性脳虚血発作(TIA)のこともあり注意が必要です。発症して数時間以内にしかできない治療もあるため、早急に受診しましょう。
※ 詳細は国立循環器病センターHPへ。
重症化を防ぐためには?
①定期的に通院する
※ 新型コロナで通院を控えたいという方は、オンライン診療を活用したり、薬の長期処方をお願いすることも可能です。
禁煙、節酒、運動等の生活習慣の改善に加え、降圧薬による治療が必要な場合もあります。薬は自己判断で中断しないようにしましょう。治療は一度はじめたら終わりではなく、季節や生活習慣の変化に合わせて処方を調節することもあります。主治医の先生とよく相談しましょう。
②減塩を意識した食事を
高血圧の人の理想の食塩摂取量は一日あたり6g未満*1ですが、日本人は10g前後の食塩を摂取している*2と言われています。一方、カリウムは血圧を下げる効果があります。また、運動や減量(過体重の人)も血圧を下げる効果があるので、併せて行いましょう。
- めん類のスープは飲まないことで、2〜3gの食塩をカット
- 加工食品やインスタント食品はできるだけ避ける
- バナナやサツマイモ、ほうれん草などカリウムを多く含む食品を摂る など
(腎障害や糖尿病等の方は医師の指示に従ってください)
*1「高血圧治療ガイドライン2019」(日本高血圧学会)
*2 厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年)
③脳梗塞や心筋梗塞などの発作を防ぐには?
まずは薬と生活習慣の改善で、日常的に血圧をコントロールすることが大切です。加えて、脱水(血栓ができやすい)にならないよう、特に「入浴後」「起床時」の水分補給を心がけましょう。また、冬は寒暖差(風呂、トイレなど)による急な血圧上昇にも要注意です。
