Health Topics 歯と全身の健康を守る歯科健診を習慣づけよう

毎年の歯科健診を義務づける「国民皆歯科健診」制度の導入が2025年度を目処に検討されています。むし歯や歯周病が重症化すると、治療にかかる時間やお金が増えるだけでなく、全身の病気にもつながります。今のうちから定期的に歯科健診を受ける習慣をつけて、歯と全身の健康を守りましょう。
健診の質問票で見る お口の健康と生活習慣病の関係
2018年4月から、特定健診・特定保健指導で使用されている「質問票」に「かむこと」についての項目が追加されました。これは、むし歯や歯周病、歯の喪失といったお口の健康状態が生活習慣病と密接な関係があるためです。
歯科医療費は増加中
健康保険組合連合会による健診・医療費統計によると、歯科の医療費は、がんや循環器系疾患などを抜いて、健保組合全体の疾病別医療費のトップとなっています。コロナ禍の受診控えによってむし歯や歯周病の患者が増えたとも言われており、歯科医療費は増加傾向にあります。
特定健診の質問票における歯科関連項目

- Q8 現在、たばこを習慣的に吸っている
たばこは身体の健康だけでなく、歯周病の進行にも悪影響を及ぼします。たばこに含まれる有害物質によって免疫細胞の活動が低下し、歯周病にかかりやすくなるためです。歯肉の血液循環が悪化して貧血状態になり、歯肉の出血や炎症が抑えられてしまうため、気づかないうちに歯周病が重症化していることもあります。 - Q13 食事をかんで食べる時の状態はどれにあてはまりますか
むし歯が痛んだり、歯周病で歯がグラグラしたり、歯が抜けたままの状態だと、しっかり咀そしゃく嚼して十分な栄養をとることができません。 - Q14 人と比較して食べる速度が速い
速食いは肥満や糖尿病の原因になり、糖尿病は歯周病を悪化させます。 - Q16 朝昼夕の3食以外に間食や甘い飲み物を摂取していますか
間食やダラダラ食いはむし歯の発生だけでなく、生活習慣病の原因になります。
さらにこんな影響も…
歯周病やむし歯による歯の喪失
日本人が歯を失う原因の約40%が歯周病、約30%がむし歯に由来するとされています。歯が抜けたまま放置している人は、20本以上歯が残っている人と比較して、将来認知症を発症するリスクが高くなることも報告されています。

歯周病は糖尿病と悪循環の関係
歯周病菌の出す炎症性物質はインスリンの効きを悪くするため、糖尿病を発症・進行させます。一方、糖尿病で高血糖の状態が続くと、免疫力が下がって炎症が治りにくくなり、歯周病を悪化させてしまいます。

歯周病は心臓発作の原因にも
歯周病菌が血液中に侵入すると、血管に炎症を起こして動脈硬化が進行します。すると、血管がつまりやすくなり、心筋梗塞(心臓発作)などを引き起こすリスクが高まります。

そのほか、歯周病にかかると妊娠中の女性は低体重児の出産や早産のリスク、高齢者は誤嚥性肺炎が重症化するリスクが高まります。
定期的にプロフェッショナルケアを受けよう
むし歯や歯周病の原因になる歯垢(プラーク)は歯みがきで除去できますが、唾液中のカルシウムが歯垢に沈着した歯石は、硬くて自分では取れません。そのため歯科医院を受診して除去してもらう必要があります。
また、定期的に歯科健診を受けることで症状がない初期のむし歯や歯肉炎などを発見することもできます。歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアで歯科疾患を予防し、全身の健康管理にもつとめましょう。

毎日のセルフケアも大切に
歯垢が歯に付着したままにならないよう、次の点に注意して、毎日丁寧に歯みがきをしましょう。たばこを吸う習慣のある人は禁煙を。
- 歯と歯肉の境目に歯ブラシを45度程度にあて、小刻みにみがく。
- フッ素入りの歯みがき粉を使い、口をすすぐ際は軽く1~2回。
- 歯の間の歯垢は、歯間ブラシ、デンタルフロスなどで取りのぞく。
歯とお口の状態を自分でチェックすることも大切です
こちらのサイトで簡単セルフチェックができます。
※むし歯・歯周病を防ぐセルフチェック習慣「8020推進財団ホームページ」より

