ココロが軽くなるメンタルケア 夫婦間の趣味

一般社団法人 認知行動療法研修開発センター
理事長 大野 裕

 30代の女性です。夫は休日には山に登ったりランニングに出かけたりとアウトドアが趣味なのに対して、私は家でのんびりゲームをしたり映画をみるのが好きなインドア派です。付き合いだしたばかりの頃は、お互いの趣味に興味を持って二人で登山に出かけたりゲームをしたりと過ごしていたものです。ところが結婚して3年が経った最近は、新しいゲームで遊ぼうと誘っても「ああ、こんどね」と興味なさげに適当にあしらわれるようになりました。休日の昼間に私が好きなテレビをみていると「ダラけてないで外に出かけようよ」と私の趣味を否定するかのような物言いをされ、いちいち腹が立ってしまいます。
 また、ニュースをよくみる夫に比べて私は世情に疎いため、ニュースの話を振られても大抵わかりません。そんな私をバカにしたような態度を取られることにもストレスを感じています。いずれも趣味や興味の方向がまったく違うことが原因なのだろうと思います。そんな噛み合わない状態で今後も一緒に過ごさなければならないと考えると不安しかありません。

認め合っていたあの頃をもう一度思い返してみる

 悩みを読ませていただくと、ご夫婦の性格は正反対のようですね。これだけ性格の違うお二人が結婚を決意されたのはなぜだろうと、考えてしまいました。
 私の想像ですが、その違いを乗り越えるだけの、お互いが惹かれる何かがあったからではないでしょうか。もしそうだとすれば、それが何だったかを少し思い出されても良いのではないでしょうか。それにここまで一緒に生活をしてこられたのは、お互いに認め合うところがあったからではないかと思います。
 それが今のように不満ばかりになってしまったのはなぜなのでしょうか。気持ちがすれ違うようになるきっかけがあったのなら、その問題を解決する必要があります。

お互いに心地が良いと思える距離がみつかるはず

 言い古された表現ですが、夫婦と言っても、もとは赤の他人です。趣味や生き方が違うのは当たり前です。その二人が一緒に生活を送るのですから、当然、食い違いが出てくるでしょう。だとすると、二人にとっての「ほど良い」距離をみつけていくことが大切なように思います。
 最近友人から聞かされたグチを思い出しました。たまには一緒にゴルフに行こうと妻を誘ったところ、友人と行く方が楽しいからといって断られたそうです。それでも二人は仲の良い夫婦です。違いは違いとして尊重して、「ほど良い距離」を取りながら一緒に生活をしていくのが夫婦なのだと思います。まだ若いお二人ですので、時間がかかったとしても、お互いに安心できる距離をみつけていっていただければと思います。


大野裕先生監修の認知行動療法活用サイト『こころのスキルアップ・トレーニング』
うつや、日常生活のちょっとした不安、ストレス、イライラを抱える方に向けた、プチうつ、プチ不安への対処などを支援するサイト。