KENPO羅針盤 2022年施行 健康保険制度の改正について

健康保険制度を維持するための改革が進められている

 わたしたちが加入している健康保険組合を取り巻く環境は、人口減少・少子高齢化やコロナ禍による経済的な影響等により、大変厳しいものになっています。国民皆保険制度の維持と国民の利便性を図るため、国ではさまざまな改革を進めています。
 左記の改正のほか、2022年10月からは育児休業中の保険料免除要件の見直し、短時間労働者の社会保険の適用拡大なども実施されます。また、引き続きマイナンバーカードの保険証利用(オンライン資格確認)やマイナポータルを通じた健診情報等の活用など、医療情報のデジタル化も進められます。

2022年1月~

●任継制度の自己都合による脱退が可能に

任意継続被保険者制度は退職後、条件を満たせば健保組合に引き続き加入できる制度です。国民健康保険料は前年の所得を元に算出するため、2年目以降は健保より国保の保険料の方が安くなる場合もありますが、従来は2年間は自己都合で脱退できませんでした。今回の改正により本人の希望で脱退できるようになりました。

●傷病手当金の支給期間の見直し

傷病手当金は病気やケガで仕事を休んだとき、1年6ヶ月まで給料の約2/3を受けられる制度です。がん治療などのために休暇をとりながら働いている場合、従来は出勤して不支給となった期間も1年6ヶ月に含まれていましたが、その分の期間を延長して受給できるようになりました。2020年7月2日以降に支給を開始した人から適用されます。

2022年4月~

● 薬をもらうだけの受診が不要に(リフィル処方せん導入)

慢性疾患の場合、薬の処方せんをもらうためだけに通院することも多いですが、一定期間内であれば、同じ処方せんを繰り返し使用できる仕組みが導入されました (高血圧などの病状の安定した長期疾患が対象。回数制限あり)。通院の手間を減らすことができるので、該当しそうな人は医師にご相談ください。

● 体外受精などの不妊治療が保険適用に

不妊治療については国や自治体が助成制度で対応してきましたが、4月からは健康保険が適用されます。原則として適用となるのは体外受精や顕微授精など学会が「推奨度A・B」とする医療技術(男性不妊治療を含む)で、治療開始時点で女性の年齢が43歳未満となります(40歳未満は6回まで、43歳未満は3回まで)。

2022年10月~

●75歳以上(一定所得以上)の窓口負担割合を2割に

高齢者にも負担能力に応じた負担をしてもらうため、一定所得以上の後期高齢者の窓口負担割合が1割から2割に引き上げられます。対象となるのは課税所得28万円及び後期高齢者が1人の世帯は年収200万円以上、2人以上の世帯は後期高齢者の年収合計が320万円以上となります。
* すでに3割負担の現役並み所得者は変更ありません。

● 紹介状なしの大病院の受診は負担増

大病院に患者が集中することを防ぐため、200床以上の病院の多くは、紹介状なしでかかると別途特別料金(定額負担)がかかります。今回の改正ではこの対象となる病院を拡大するとともに、保険給付の範囲から一定額(例:初診の場合2,000円程度)を控除のうえ、追加で同額以上の定額負担がかかる仕組みが導入されました。