ココロが軽くなるメンタルケア うつ病で休職した人との接し方

一般社団法人 認知行動療法研修開発センター
理事長 大野 裕

 うつ病で休職していた同僚が、近く職場に復帰すると聞きました。彼とは部署は違ったものの、同期入社のよしみで、社内で見かければ声をかけ世間話をするくらいの間柄でした。そんな彼が上司からのパワハラが原因でうつ病を患い、1年ほど休職していたのですが、このたび私の部署に異動となり、晴れて復帰することになったのです。快方に向かっているのは素直に喜ばしいのですが、そんな彼にどう接していけばいいのか、迷っています。以前、テレビ番組か何かで、「励ましてはいけない」というような話は聞いたことがありますが、どういうことなのでしょうか。彼のためにどう接していくのが正しいのか、アドバイスをお願いします。

相手の立場で柔軟な対応が必要

 うつ病から回復途中の同僚の方が復職されるまでになって良かったと思います。それも、知り合いの方がいらっしゃる部署に異動になられたということから、会社の人事労務担当者の方が配慮されていることがわかります。
 会社によっては、休みに入る前と同じ部署に復帰することを原則にしているところがありますが、このように画一的に決めるのは望ましくありません。よく知っている同僚の中で慣れた仕事ができるのは安心ですが、その一方で、今回の同僚の方のようにパワハラはもちろんのこと、仕事が合わないで休みに入った場合には、同じ部署に戻るとストレスを感じて再発する可能性があります。ですから、会社として、復帰場所を柔軟に判断することが大事です。
 メンタル不調のために休職された人が復帰する部署の人もまた、相手の人の立場に立った柔軟な対応をしてほしいと思います。ご質問に書かれているように、励ますということは、相手の状態を考えずに自分の考えを一方的に押しつけることになります。もちろん、その励ましに応えられれば良いのですが、応えられないときには、自分を責めてつらい気持ちになりやすくなります。

意識しすぎず自然な関わりをもつ

 一方で、気を遣いすぎるのも注意しなくてはなりません。これもまた、心配しているという自分の考えや気持ちを押しつけることになって、本人が負担に感じることがあるからです。そうしたことを避けるためには、その人が引き受けられる仕事を付与し、困ったことがあれば気軽に相談できる環境を作ることが大事です。
 これは休職したかどうかに関わりなく、すべての職場での人間関係で必要になることで、病気だったかどうかをあまり意識せずに、思いやりを持った自然な関わりをするようにしてください。


大野裕先生監修の認知行動療法活用サイト『こころのスキルアップ・トレーニング』
うつや、日常生活のちょっとした不安、ストレス、イライラを抱える方に向けた、プチうつ、プチ不安への対処などを支援するサイト。