放置は危険!生活習慣病 脂肪肝の重症化を食い止めよう

監修 順天堂大学大学院医学研究科 先端予防医学・健康情報学講座 特任教授 福田 洋

脂肪肝とは名前の通り、肝臓に脂肪がついた状態のこと。「お酒を飲む人だけが気をつければいい」「脂肪肝ぐらい放置しても大丈夫」と思っていませんか。実は脂肪肝は飲酒習慣がなくても、食べすぎや運動不足、栄養バランスの偏り等によって起こることがあります。また、脂肪肝を放置すると自覚症状がないまま、肝硬変や肝がんなどの重篤な病気を引き起こすことも。健診で肝機能の数値が悪かった人、脂肪肝と指摘されたことのある人は注意が必要です。
脂肪肝が進行すると…?
脂肪肝は糖尿病や慢性腎臓病などを悪化させ、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを高めることが知られています。さらに、肝硬変の状態まで進行してしまうと、肝がんや食道・胃静脈瘤、肝性脳症、腹水といった合併症を引き起こします。

■肝機能の数値の目安は?

お酒を飲まない人の脂肪肝(NASH)って?
お酒を飲まない人の脂肪肝(NASH)が増えています。このタイプは食べすぎなどによって肝臓に脂肪がたまることが原因。アルコール性脂肪肝と同様、肝臓に炎症を起こし、肝硬変を引き起こすリスクがあります。お酒は飲まないからと甘く見ることは禁物です。
重症化を防ぐためには?
①肥満を改善する
脂肪肝になる最大の原因は肥満。そのため、太っている人は食事と運動による減量が必要です。その一方、太っていない場合でも安心はできません。極端な食事制限によるダイエットをしたことのある人は、「低栄養性脂肪肝」という脂肪肝になることがあります。
お酒
- アルコールは肝臓に中性脂肪を蓄積させるため、医師の指示に従い節酒あるいは禁酒を行う。
食事
- 糖質を多く含む飲みもの、脂肪分を多く含む乳製品や脂っこい料理を控える。とくに果物の食べすぎは、中性脂肪のもととなる果糖の過剰摂取につながるので注意。緑黄色野菜や食物繊維も忘れずに。
運動
- 週に3回以上、軽く汗ばむ程度の運動を20分以上行う。有酸素運動のほかに、スクワットや腹筋などの筋トレを取り入れるのも効果的。
※ 7%の減量で肝臓の脂肪化、炎症を改善し、10%以上で肝臓の繊維化(肝硬変)も改善するという報告もあります。
出典:NAFLD/NASH診療ガイドライン2020,南江堂,2020
②生活習慣病を改善する
糖尿病や脂質異常症、高血圧などの人は、その治療を継続して行うことも大切です。
生活習慣病への治療は、脂肪肝の改善にもつながります。
