放置は危険!生活習慣病 脂質異常症を食い止めよう

監修 順天堂大学大学院医学研究科 先端予防医学・健康情報学講座 特任教授 福田 洋

 脂質異常症は、血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が多すぎたり、HDL(善玉)コレステロールが少なすぎる状態をいいます。不摂生な食生活、運動不足、喫煙、ストレスなどが主な原因ですが、自覚症状がないため、健診で指摘されても放置している人も多いようです。脂質異常は男性では30歳代から、女性では閉経前後を境に増加します。狭心症や心筋梗塞を起こさないためには、適切な治療と生活習慣の改善が必要です。

脂質異常が進行すると…?

脂質は必要不可欠なものですが、LDLが多すぎると、血管壁の内側にこぶができ、血管を狭める原因に。そのため、血管が少し収縮しただけで血流が減少し、脳や心臓へ酸素・栄養が行き渡らなくなります。さらに、こぶが破れ血栓(血のかたまり)ができると、血流が途絶え、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことにつながります。

脂質異常症の数値の目安は?

若いうちからコレステロール値が高い人は要注意…

遺伝的にコレステロールが高い、家族性コレステロール血症は200〜500人に一人いるとみられ、若くても狭心症や心筋梗塞を起こす可能性があります。放置せず、必ず受診するようにしましょう。

重症化を防ぐためには?

①医療機関を受診する

健診で要治療と判定されている人はまず受診を。持病の有無や年齢・性別などによって、治療の目標・方法は異なります。薬が必要になる場合もありますが、必ず医師の指示に従い、個人の判断で勝手に治療を中断しないようにしましょう。

②禁煙に挑戦する

喫煙は血管を傷つけ、血栓をつくりやすくします。喫煙者は、非喫煙者に比べ心筋梗塞のリスクが約3〜4倍もあるといわれています。
*出典:European Journal of Cardiovascular Prevention and Rehabilitation 2006年13巻207-213ページ

③脂っこい料理は控え、良質な油を摂る

  • 大豆、魚、野菜、海藻、きのこを積極的に摂るようにし、脂身の多い肉や揚げ物、洋菓子は控える(減塩も意識する)。
  • 油を摂るときは、LDLや中性脂肪を減らす効果がある「オメガ3系脂肪酸」を意識して摂る。さば、さんまなどの青魚(DHA、EPA)、くるみなどのナッツ類、えごま油やアマニ油などに多く含まれている。
    ※えごま油やアマニ油は熱で酸化しやすいので加熱調理には用いないようにしましょう。

④からだを動かすことを心がける

※ いきなり運動を始めると心臓や血管に大きな負担がかかることがあります。事前に医師に相談を。

  • ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を毎日合計30分以上行うことを目標に(少なくとも週に3日は運動を)。
  • 仕事中に座りっぱなしにならないよう、ときどき立ち歩くことを意識する。